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LED照明とは

まずはLED照明についてのこと

LED照明

LED

LED照明とは、LEDを光源として利用する照明のことです。

LEDは、発光ダイオード(Light Emitting Diode)のことです。

発光ダイオードとは、半導体のことで、電気を流したら発光するという特性があります。

半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の特徴を持っています。

そして、半導体の素材によって光の色を変えることができます。

照明としての利用は最近になって

1960年代に開発されたLEDが、一般的に照明として利用されるようになるには、1990年代に実用的な青色LEDが開発されるのを待つしかありませんでした。

現在では、自動車のライトや信号機、家庭用の照明器具、モニターのバックライトとその活用の場面が広がっています。

続いてLED照明の特徴

LED照明の特徴には、寿命の長さ、応答性のよさ、発熱の少なさ、低温への対応、省エネの5つががあります。

寿命の長さ

LED照明の寿命は40000時間と非常に長くなっています。
これは、白熱灯の1000時間、蛍光灯の10000時間に比べて際立った特徴となっています。

応答性のよさ

LED照明は、スイッチを入れたらすぐに点灯する特徴があります。
白熱灯の場合、スイッチを入れてから、所期の明るさを得るまでに時間が掛かりますが、LED照明の場合、スイッチを入れた瞬間に所期の明るさで点灯します。

発熱の少なさ

LED照明は、使用する電気のほとんどを発光に使いますから、器具が厚くなりません。
しかし、白熱灯の場合、電気を熱に変えてしまいますので、点灯時間が長くなると、白熱灯に手で触れることができなくなるほどです。

低温への対応

LED照明は周囲の温度の影響を受けないという特徴があります。
白熱灯や蛍光灯が周囲の温度低下の影響を受けて点灯しづらくなるという点に対して、LED照明の大きな利点となっています。

省エネ

LED照明は、白熱灯や蛍光灯と同じ明るさで点灯するために必要な消費電力が低いという特徴があります。
そのため、従来の照明に比べて省エネになっています。

LED照明で出せる色はこんな感じ

LED照明の光の色を決めるのは、LEDに使われている材料の素材によって決まります。
そのため、用途に応じて色を変えることができます。
具体的には、赤、橙、黄、緑、青、紫外、白色の光があります。

光の色と素材

  • 赤色・・・アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)
  • 橙色・・・アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)
  • 黄色・・・アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)
  • 緑色・・・インジウム窒化ガリウム(InGaN)
  • 青色・・・インジウム窒化ガリウム(InGaN)
  • 紫外・・・インジウム窒化ガリウム(InGaN)
  • 白色・・・インジウム窒化ガリウム(InGaN 青):黄色蛍光体
  • 白色・・・インジウム窒化ガリウム(InGaN 紫外):RGB蛍光体

LEDの正体は発光する半導体のこと

半導体に電流を流すことによって光りを発します。
LEDの構造は、p型半導体とn型半導体を接合したものとなっており、そこに電流を流すことになります。
p型半導体は電子が多いという特性を持っており、n型半導体は正孔が多いという特性を持っています。
電流を流すと、p型半導体から電子が、n型半導体から正孔が接合部に集まっていきます。
接合部に集まった電子と正孔は結合します。
そのときに光を発します。
これがLEDが発光する原理です。

LED照明の白い光はどうやって作る?

LEDから白色を出すには

LEDを照明として利用するには、光の色が白色である必要があります。
そもそも、白い光を出すLEDが存在しないので、白色以外の光を出すLEDを利用して白い色を出す方式がとられています。
そのような方式には、シングルチップ方式とマルチチップ方式があります。

シングルチップ方式

シングルチップ方式には二つのパターンがあります。
すなわち、青色LED+黄色蛍光体、青色LED+赤・緑色蛍光体の二つです。

青色LED+黄色蛍光体

青色LED+黄色蛍光体の方式が一般に普及している方式です。
青色LEDの出す光と黄色の蛍光体との組み合わせで白い光を出す方式で、発光効率の高さと構造が単純であることが理由で、現在の主流となっています。

青色LED+赤・緑色蛍光体

青色LED+赤・緑色蛍光体の方式は、青色LEDの出す光と赤色・緑色の蛍光体の組み合わせで白色を出す方式です。
この方式では、発光のばらつきの問題が解消されず、あまり普及していません。

マルチチップ方式

マルチチップ方式は、赤・青・緑の光を出すLEDのそれぞれを使った方式です。
3色の光を合成して白い光を発光しています。
しかし、構造が複雑で、それぞれの光にばらつきがあるので、きれいな白色を得にくい問題があります。

LED照明の白は実は白いじゃない?

白い光を出すLEDは存在しませんので、現在のLED照明は白色以外の光を出すLEDを利用しています。
一般には、青色LEDの光を白色に変えて照明として実用化しています。

色を変える仕組み

青い光を白い光に変えるために、光の三原色の考え方が取り入れられています。
光の三原色は、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の3つです。
この3つの光を重ねると、その光は白くなります。
この原理を実用化に利用しているのが、LED照明です。
なお、黄色の光と青色の光を組み合わせると白い光になります。
黄色の蛍光体と青色LEDを組み合わせた照明が現在のLED照明の主流となっています。

またLED照明は白い光で照らしていますが、LEDそのものから白い光が出ているのではなく、元の色を加工して、擬似的に白い光を出しているのです。
そのため、青色LEDの実用化が白い光を出すLED照明の実用化につながったといえます。

LEDの構造を知ろう

LED照明に使われているLEDの構造には3種類あります。
砲弾型、表面実装型(SMD)、チップオンボード(COB)の3つです。

砲弾型LED

砲弾型LEDは、リードフレームとLEDチップが一体化した構造をしています。
LEDチップを取り囲む形のレンズの形から砲弾型と呼ばれています。
そして、LEDチップはエポキシ樹脂で覆われています。

表面実装型LED

基板に直接LEDチップを取り付けた構造をしています。
その表面をエポキシ樹脂で覆っています。

チップオンボード

チップオンボードは、複数のLEDチップを基板の上に多数並べた構造をしています。
LED電球の光源として利用されています。

LED照明にもこんな課題が…

LED照明は、省エネや耐久性の高さなどで普及が進んでいますが、解決しなければいけない課題がまだまだあります。
発光効率、価格、演色性が主な課題です。

発光効率

LED照明の発光効率については、これまで発光効率の向上にともなってLED証明が普及してきましたので、さらなる普及のためには、発光効率の向上が必要となっています。

価格

LED照明の価格の高さは、従来の照明器具に比べた省エネ性や長寿命によってカバーできるとはいえ、初期投資の高さがLED導入の敷居を上げている面があります。
しかし、LED照明が普及するにつれて、大量生産による低コスト化が進んでいます。

演色性

LED照明は、一般的な蛍光灯に比べて、演色性で劣るとされています。
演色性というのは、太陽光の下での見え方と同じ見え方をするかということで、それに劣るということは、LED照明に照らされた状態を不自然な色合いに感じるということになります。

LED照明にも実は放熱の問題がある

LED照明の光を明るくしようとすると、高出力化することになります。
しかし、そうなると、放熱の問題が生じてしまい、照明の寿命が短くなるという欠点がありました。
したがって、LED照明の放熱の問題を解消することが、LED照明の高出力化を可能にします。
そのために開発された方式が、プリント基板に放熱用の銅基盤をはりあわせたものを高放熱基盤とし、それを低熱抵抗パッケージと組み合わせた方式です。
この方式によって、LED照明は40000時間の寿命と高出力化を実現しています。

LED照明にも寿命がある?

LED照明の寿命とは、明るさが当初の70パーセントになった状態をいいます。
LEDに使われる半導体自体に寿命はありませんが、40000時間がLEDの寿命といわれるのは、LED照明の回路の寿命のことです。
価格の安い製品などでは、回路の部品の材質を抑えていることがありますので、40000時間使用する前に、LED照明が点灯しなくなることがあります。
すなわち、LEDには問題がなくても点灯しないことがあるということです。
また、回路の寿命を延ばすために重要な技術が放熱設計です。
回路を熱から守ることによって、LED照明の寿命を延ばすことができます。

LED証明の光の方向はどっち?

白熱灯や蛍光灯では、照明から出る光は全方向に広がりますが、LED照明では、光を全方向に出すことが苦手です。
その代わりに特定の方向を照らすことは得意です。
LED照明を選ぶ場合は、光の広がり方を確かめる必要があります。

発光効率の話

LED照明の発光効率は向上し続けています。
発光効率というのは、照明が一定のエネルギーで明るくできるかをあらわすものです。
lm/W(ルーメン/ワット)で表現されるもので、単位電力あたりの光の出力を表しています。
白色LEDの登場当初は白熱灯(15lm/W)に劣るほどでしたが、実用化以降発光効率は向上し続け、研究段階では200lm/Wに達しようとするまでになっています。

発光効率の比率の話

LED照明とその他の照明器具の発光効率を比較すると、ほとんどの照明器具と比べてもLED照明の発光効率の高さが分かります。

  • LED照明・・・90lm/W
  • ろうそく・・・0.3lm/W
  • 白熱灯・・・15lm/W
  • 蛍光灯・・・100lm/W
  • 高圧ナトリウムランプ・・・130lm/W

単位は、lm/W(ルーメン/ワット)で、数字は代表的な照明の数字です。
なお、高圧ナトリウムランプはトンネルの光源として使われています。

寿命

LED照明の寿命をほかの照明器具の寿命と比較すると、LED照明の寿命の長さが目立ちます。

  • LED照明・・・40000時間
  • 白熱灯・・・1000時間
  • 蛍光灯・・・12000時間
  • 高圧ナトリウムランプ・・・12000時間

時間は代表的な照明の時間です。
なお、高圧ナトリウムランプはトンネルの光源として使われています。



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